暮らしの中で感じたもの、感じること、音楽のことなど色々と記録していきたいと思います。


by osamu
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☆Dialogue☆

この時期になると、終戦記念日ということもあって、NHKが
第二次世界大戦のdocumentary番組を放送します。

昨晩はシベリア抑留の番組を放映していました。

シベリア抑留の歴史的な流れ、それから、収容所における
現実を赤裸々に纏めてあり、さらに、90歳前後の抑留者の
方々の映像コメントもあり、とても強烈な番組でした。

戦地におられた民間人を含む人たちの想像を絶する体験
を、番組を通して、疑似体験するのですが、とても胸をしめ
つけられる想いでした。

かつて、僕が読んだ本に、エリック・フロムという心理学者が
書いた「Escape from Freedom」(邦訳:自由からの逃走)
という本がありました。

第二次世界大戦前に、民衆がデカダンスに近い雰囲気の中
で自由を謳歌している時に、ヒトラーが出現したのですが、
民衆は自由に飽き、自由に対する危機感を持ち、自己喪失
を起こし、ヒトラーのファシズム体制を支持した訳です。

フロムは、確かユダヤ系ドイツ人でしたけれど、自由から逃走
した民衆の心理を、この本の中で分析し、民主主義に対する
提言を行いました。

話は戻りますが、僕の親父は明治39年生まれで、満州に行っ
てました。余り戦争のことは話したがらなかったのですが、僕
が高校生の時に、親父が友人と話す戦争体験を傍で聞いたこ
とを思い出します。

戦死した部下の人たちの遺品を整理して、親元に送る作業も行
っていたようですが、その時のつらい気持ちを話していたように
記憶しています。

戦争中、親戚の人たちが、満州に行く前に下関で駐留している
親父を訪問し、「これが最期の別れになるかもしれない」と、涙
ながらに別れを惜しみ、兄貴が小さい頃の写真の裏に遺言とも
つかない言葉を書きしるしたことも聞きました。

そんなことを思い出しながら、終戦記念番組を見ていると、僕ら
はなんて幸福な生活をしているのだろうと感じる訳です。

公安はあっても、憲兵はいない。警察はあっても、特高はない。

五木寛之は著作の中で、彼は、「車に喩えて言うなら、経済活動
はアクセル、政治はハンドル、宗教・哲学的思惟はブレーキであ
る」と書いてました。

因みに、五木寛之も、終戦を、今の北朝鮮のピョンヤンで迎え、
その頃の強烈な実体験が彼の文学作品の核になっており、今で
も彼はそのトラウマと闘っているように思えます。

戦争という凄まじく異常な体験を僕らはすることはできませんが、
終戦記念日に放映される番組を見て、今我々が謳歌している自由
を内省し、考察することを、1年に1回するのは大事なことだと思い
ます。

僕はこの時期になると、幸せ、祈り、願い等々そんなことを歌詞に
ちりばめた自分のオリジナル作品の薄っぺらさというのでしょうか、
自分の作品に映される自分自身の浅薄さを痛感します。
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by backtomysoul | 2010-08-09 16:53 | 社会